7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.48

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両方から熊とトラに挟まれる形で、木乃葉と老人は一歩一歩断崖の際へと後ず去った。

写真は参考

「おじいちゃん。もうこれ以上下がれないよ」。

「ああ。もうそれ以上絶対足を動かしてはならんぞ」。

「うっ、うん」。

「コンチャンには伝わってこないか?」。

「何が?」。

「あの子たちの怒りが」。

「あの子たちって、熊さんとトラさんのこと?」。

「そうじゃ」。

「うーん・・・」。

参考

「あの子たちは、きっとサーカス団で生れて育ったんだ。小さな頃から人間の言う事を聞かされ、不器用な格好で自転車に乗ったり、火の点いた輪を潜り抜けたり・・・。決して好きで芸を見せていたわけじゃないじゃろう。生きるために、その日の餌をもらうためだけのために、くる日もくる日も自転車に乗って火の輪を潜っておったんじゃろう。そうしていれば、人間の言う事を聞いてさえいれば、鞭で打たれることもなかったはずじゃ。しかし、今は何もあの子たちが悪いことをしておらんのに、鉄砲で撃たれてしまったんじゃ」。

参考

「もう人間のことが信じられなくなって怒ってる・・・」。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.48」への4件のフィードバック

  1. 二、三日日頃から
    黄砂黄砂ってNHKの天気予報でも注意を促しています。
    ホント黄砂って厄介・・
    空を見上げると確かに霞んで見える。
    それが目の前はどうかな?と観ても
    黄砂?うん⤵見えんし分からん・・
    一番厄介なのは人の心かも?知れません ❢

    1. 黄砂って言っちゃうと何だかですが、もしかしたら昔から飛来していたんじゃないでしょうか?
      春は「朧月夜」とか「朧霞」なんて呼ばれていたのですから、それももしかしたら大陸からの黄砂の飛来も含まれていたんじゃないでしょうかねーっ。
      それにしても「黄砂」と「おぼろ」では、何とも音感も語感も違いがありますよねーっ。

  2. 信用出来なくなってしまう。信用されなくなってしまう。
    この状態になるのに時間は たいしてかからない。でも それ以前の状態に戻るのには かなりの時間がかかってしまう。
    人間同士の関係や人間と生き物の関係。普段は何気なくとも いざと言う時に その想いが強くなる気がします。

    1. 人間同士は「言葉」が邪魔して、なかなか本音に辿り着けなかったり、逆に言葉の通じない動物たちからは、ささいな表情の変化や仕草で動物たちの心に近づこうとしている気がします。
      言葉はとっても便利ではありますが、言葉があるが故の言葉による悲劇もありますものねーっ。

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