7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.38

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「あっ、お巡りさん。あなたご家族は?」。

パトカーに向かおうとした警察官の背中に向かって、パパは言葉を投げかけた。

写真は参考

「わ、わし?」。

「ええ」。

「家はかかあと、子らは上が男で下が女、それにじいさんの5人や」。

「だったらこの私の気持ちも、わかっていただけますよね」。

「・・・もしわしがあんたで、娘が岬へ・・・だったら・・・。あんたと同じ事ゆうたやろな」。

そう言い残すと、警察官は道路を封鎖して止まるパトカーに乗り込んだ。

「一応わしも職務ですからゆうときますが、署の確認を取るまで、危険ですんでこっから先へは進まんといてな。一応、ご協力のお願いはしときましたんでな・・・」。

警察官は徐にハンドルに手をかけた。

「どうもこの場所は無線の状態が良くないんで、電波の届きそうな場所へ移動しますわ」。

パトカーの運転席の窓から身を乗り出してそう告げ、警察官はパトカーのアクセルに足を掛けた。

「ああそれから、それから。余分なことかも知れんけど、さっき言い忘れてもうたが・・・。ここいらには、わし一人しか警官おりませんで、・・・まあ後は、よろしゅうたのみますわ」。

写真は参考

パトカーはタイヤを軋ませながら、岬と逆方向に向かって走り去った。

「ねぇ、パパ。あのお巡りさんが言ってたこと、あれどういう意味?」。

「こういうことさ!」。

「エエッ!」 。

パパの車もタイヤを軋ませ、岬へと続く一本道を突き進んで行った。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.38」への6件のフィードバック

  1. 名古屋市北区の会社に出向している頃
    部屋の前が、警察の機動隊の練習場所で
    それゃ~ぁ⤴
    運転技術の上手い事、ズ~~ット見ていられる。
    車でもバイクでも、えっ?こんな狭い場所でもUターン出来るの?
    暴走族なんて子供の運転だと思う!
    これも毎日の訓練の賜物・・
    継続は力なりですねぇ!

    1. 機動隊の方の訓練風景は拝見したことがありませんが、消防署の隊員の方の練習風景は目にします。
      いずれも大変ご苦労なお仕事です。
      あの消防隊員の方たちの訓練を横目で見るだけで、怠け者のぼくにゃあとっても無理。
      そう思ったものです。

  2. 『パトカー』 
    先日 郡上八幡に行く途中 美並で高速を降り 郡上八幡ホテルさんを過ぎた 当たりで 運転をしていた友達が 
    『あっ パトカーが後に来た イヤだな~』と  
    そうなんです!
    私達の前は現金を運んでらっしゃる車
    (⁠˘⁠・⁠_⁠・⁠˘⁠)
    友達は口数も少なくなり ⁠制限速度も50〜60㌔を守りながら 約10分  長ーく感じました  (⁠●⁠´⁠⌓⁠`⁠●⁠)

    桜も満開で お天気にも恵まれ 5年ぶりに訪れた郡上八幡の街を楽しく散策してきました。
    平野醸造さんの隣 川沿いには新しいお店が4店舗   藍染のお店も 近いうちにオープンするようでした。

    平野さんでは 『母情』と酒粕を 

    お昼は原さんの弟さんのお蕎麦屋さん
    に  
    次から次からへと満席
    途中で『白米が無くなったと』店主が!  大人気  
    美味しかった (⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)⁠❤

    海外からの観光客の方がバスツアーで訪れてみえ お土産屋さんでは あの賑やかなお国の方はいらっしゃいませんでしたよ (⁠。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。⁠)⁠ 

    ♪♪♪ ライブ迄 あと2週間 ♪♪♪
    マスクで 誰?! 誰?!
    なんて 失礼したら ごめんなさいね

    皆さん 4月16日 お会いできるのを楽しみにしていますね ♥
     
    ★ みきちゃん みんなの事 覚えていてくれるかしら~ (⁠◠⁠‿⁠・⁠)⁠—⁠☆

    1. 八幡の桜はさぞかしきれいでしたでしょうねーっ。
      羨ましい気がしてなりません。
      とってもいい小旅になりましたねぇ。
      ぼくも16日が楽しみでなりません。

  3. お巡りさん カッコイイ〜
    勝手な事を言わせてもらうなら 杓子定規にいかない時って 多々あるのだ。
    最近 身近で起こった出来事が正にそうで あまりにも腑に落ちなかったから 数日間話し合いをしました。相手側は 『決まりはあるものの 今後はその時の状況に応じて判断し行動します』と。
    私もいろいろ考えさせられました。
    話し合い 大事です。

    1. 世の中、理不尽なことってあるものですよねーっ。
      何度考え直してみても、相手の立場に立って考えを巡らせても、どうにもこうにも腑に落ちないってこと、これまでに何度もありました。
      でもそんな悔しい思いも、時を経る度、記憶の中で滲んでいってやがて薄れ果ててしまったものです。
      そうやっていつまでも理不尽な想いに苛まれていると、何時まで経っても自分で自分の心を抉ることになっちゃいますから、そうならないための自己防衛の一つとして「忘れ去る」術も、知らぬ間に身に付いちゃったようです。

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