7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.35

「KIRIN BEER PRESENT’S オカダミノル ほろ酔いLive 2023 in C♭」2023.04.16開催

砦岬キャンプ場では、数組の家族連れが夕食も終わり、思い思いにくつろいでいた。

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どんよりとした雲が、湾内に突き出た岬の上空にゆっくりとかかり始めていた。

「おおいっ、裕也!ビールがねぇぞ、ビールが!」。

モッくんパパは、すっかりいい気分で酔っ払っていた。

「おおいっ、基喜!ビールがねぇぞ、ビールが!」。

虫篭のクワガタを眺めながら裕也が、基喜にむかってパパの台詞を真似た。

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「おおいっ、美代!ビールがねぇぞだってさ!」。

基喜も虫篭の中のカブト虫にスイカを与えながら、美代にむかって裕也の台詞を真似た。

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「おおいっ、ママ!ビールがねぇじょだって、モトキがいった!」。

キャンプ用の組み立て式テーブルで、デザートのワッフルにハチミツをたっぷりぬりながら、手と口の周りをハチミツでベトベトにした美代が、基喜の台詞を真似た。

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「裕也、基喜!何であんた達は、いっつもそうなのよ!パパに最初に頼まれたのは、いったい誰よ!」。

モッくんママの怒鳴り声が響き渡った。

「オレでーす!」。

裕也はふて腐れながらクーラーボックスからビールを取り出した。

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「あらっ、ねぇパパ、今パラッパラッと来なかった?」。

「ウィーツ。パラッとでもドサッとでも、こーなったら、ウイッ、何でも来て見やがれってんだよ」。

「まったくこの酔っ払いが・・・話になんないわ!あっそうだ、基喜っ!雨が降り出しそうな雲行きだから、マウンテンバイクはちゃんとシートの下に入れておきなさいよ。じゃあね。お先に、オヤスミ」。

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ママは酔っ払いのパパに愛想を付かして、さっさとテントの中に潜り込んで行った。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.35」への4件のフィードバック

  1. 子供の頃って・・
    なんで?昆虫に興味を抱くんでしょうか?
    私が子供の頃は全く興味無かったけど
    たまに家の中に「コガネムシ」が飛んできて
    首の所に糸を付けて遊んだ覚えがあるけど
    そう言えば子供の頃、窓を開けて寝ていたら
    一度だけホタルが家に飛んで来た事がある。
    住んで居た所は田舎ではなかったんですけどねぇ!
    不思議!
    皆さん「飛んで火にいる夏の虫」にならないように
    気を付けましょう!

    1. 子どもの頃手にした昆虫は、今の大人になったわが身から想像すると、かなりな大きさだったように感じます。
      それでも怖く感じなかった子どもの頃って、万物と調和していたのでしょうか?
      今の身長から考えれば、コガネムシだってきっと大人の拳くらいあるんじゃないでしょうか?
      わーっ、クワバラクワバラ。

  2. 小学生の頃 確か教室でカブト虫を飼ってました。先生から教わって カブト虫の餌になりそうな物を順番に持って行ったりして。
    カブト虫には興味がなかったけど 運動場の片隅で飼育されてたウサギや鶏には 野菜の葉物をよく持って行き 飼育係の友達と一緒に食べさせてました( ◠‿◠ )
    今では こんな風景ないんでしょうね。

    1. ぼくの小学校にも小さな飼育小屋がありました。
      順番に飼育係を任されたりして。
      でもほとんど用務員のオジサンが世話をされていたような・・・。

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