7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.34

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「岬のキャンプ場には、猛獣が迫っている事など、なんにも知らないキャンパー達がいるんだぜ!もしもその人たちに危害が加わる恐れがあったら・・・」。

「恐れがあったら・・・?」。

卓磨と麻美は、鸚鵡返しで刑事に迫った。

「その時は、容赦なく狙撃する!」。

写真は参考

「あの子たちは、そんな凶暴な事をするわけがありません」。

麻美はなおも刑事に食い下がった。

「あの、刑事さん。麻美はサーカス団の猛獣使いです。なんとか連れて行ってやっちゃもらえませんか?きっと多少のお役には立てるはずですから。それに麻美にとっちゃあ猛獣達は、兄弟のような存在なんです。だから撃ち殺されるかも知れない状況を放って置くわけにはいかないんです。それが人情ってもんでしょう。ねっ、何とかお願いしますよ」。

画像は参考

満は刑事にそう言いながら、トットと麻美をパトカーの後部座席に押し込んだ。と、同時に卓磨もすかさず満の脇をすり抜けて、麻美の足元へと潜り込んだ。そして後部ドアを内側から思いっきり引いた。

写真は参考

「たっ、たく・・・」。

満の驚いた顔が窓ガラス越に映った。

(シッ、シー)

卓磨は窓ガラスの向うで呆然と立ち尽くす満に向かって、ジェスチャーで黙って見逃してくれるよう拝んだ。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「7歳の娘に毎日送ったハガキ~132通の物語『明朝新聞(みょうちょうしんぶん)』No.34」への4件のフィードバック

  1. ミニカーって
    女性の方達は興味ないと思うけど
    男子は少なからず子供の頃、興味を持ったでしょう
    そんな私も、まだ4~5歳くらいの時だった。
    おじさんに丸物百貨店で「ジャガーEタイプ(オープンカー)」
    真っ赤なミニカーを買って貰った記憶があります。
    あまり遊び過ぎて赤い車が、
    最後には塗装前のシルバー色の車に変わってました。

    1. ぼくは残念ながら、ミニカーを買い与えてもらったことがありませんでした。
      プラモデルなら2~3度ありましたが、設計図を入念に読み込みもせず、勝手に組み立てるものですから、そのうちにチンプンカンプン。
      結局その後は、根気のいいお父ちゃんの仕事となったものでした。

  2. 以前 名古屋では 猪や狐や狸が出没したとニュースで見たような…。
    私は ヌートリアを見た事はあるけど 数年前に市内では 猿が出没したようです。
    時々 不意をつかれて 猫が飛び出して来ただけで大声を出しちゃうのに 突然目の前に狸や狐や猪が現れたら どうなっちゃうだろう。
    固まる? 数秒考える? 笑う?
    静かに後退りかな⁈
    動物も人間も住みにくい世の中になったのかも。

    1. 確かに仰る通り。
      いずれも里山の奥でひっそり暮らしていた動物たちだったんでしょうに、人間界の浸食活動が拡大する一方で、里山で暮らす野生動物たちの生息域は狭まる一方なんでしょうねーっ。

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