
「怖い夢でも見たのかい?」。
「うっ、ううん」。
“間も無く志摩磯部。志摩磯部です”

「さあ、いよいよ救助隊の出発だ!」。
「救助隊って?どこに?」。
「救助隊は、コンチャンとこのわしじゃよ!」。
「ええっ!たったの二人っきりなのに?」。
「二人っきりでも救助隊っていうと、ちょっとは勇ましくって、お友達を救ってやれそうじゃないか」。
「まっそう言われれば・・・」。
「心配かい?」。
「ううん!ぜんぜん、OK!わかった、ラジャー!」。
木乃葉は老人の方を向き、背筋を伸ばして敬礼をした。
志摩磯部駅の改札を抜けると、スペイン村や合歓の里など、観光地の案内が木乃葉の目に飛び込んできた。

「あっ、サンチョパンサだ!」。
「コンチャン。そんな場合じゃないぞ!急がないと」。
「急がないとって、おじいちゃんキャンプ場の場所知ってるの?」。
「いいや」。
「いいやって・・・じゃあ、どうやってモッくんを探すの?」。
「まあそう慌てなさんなって」。
「慌てるなって・・・、さっきは急げって言ったくせに」。
「そうじゃ。わしは、確かにそう言った」。
「そんなの変だよ!」。
「いやちっとも変じゃない。昔の人は、急がば回れと言うたものじゃ」。
「何それ?」。
「急いでいると、多少危険があっても近道をとりたくなるものじゃが、そんな時こそ少し回り道になっても、安全な道を選んだほうが確実に目的地に着くいう喩えじゃ」。
「何か変なの・・・」。
「変じゃない。急いでいるから、次どうすれば良いか、次どっちに行けば良いのかを慌てずに考える。もし間違ってしまったら、急いでいるのにちっとも目的地に辿り着けんじゃろう」。
「そっか・・・。で、どうするのこれから?」。
「そうじゃなあ。まずこの新聞にある英虞湾のキャンプ場というのが、一体いくつあるのかを調べねば」。

老人はそうつぶやいたと同時に、木乃葉の手を引いてスタコラサッサと歩き出した。
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志摩スペイン村
2回行ったけど、OFFシーズンだった為か?
千葉に或る、テーマパークと違って
2回とも事の他空いていた。
スペイン村で食べた、本場の?パエリア美味しかった!
半日で、十分遊んで時間を持て余した。
でも、一度は行った方がイイよ!
話のタネに・・
ぼくも一度だけ、娘が幼い頃にスペイン村体験しました!
が!
さりとて今となっては何も記憶がない!
それとスペイン村の中でビールって飲めたんだけっけ?
それすら思い出せない!
なんてこったぁーっ。
「フットワークが軽いよね」と時々言われるけど それはあくまでも私ひとりでの事。
そこに私以外の人が関わってくると そうはいかない時もある。
いろ〜んな事を考えて考えて動かなきゃいけない。
慌てずに且つ冷静に。
時にそれが楽しくもあったり。
でも心はいつも速足。(笑)
息子達と出会ってから 私の癖になってます。
『急がば回れ』って人間関係でもそう言える時があるような気がします。
確かに人間関係って、その時々の勢いに左右されちゃうと、結果的に短命で消え果ることもしばしば。
付かず離れず、一定の距離感がとっても大切な気がします。