岐阜新聞「 トーキングフラッシュ」2011.3.17

「春眠暁を覚えず」は、学校のある平日。

だが日曜は違う。

夜明けに父と自転車で、釣り場へと向った。

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ところがぼくは、小一時間も川面の浮きを眺めていればもううんざり。

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後は土筆や蓬を摘んだり、蓮華の蜜を吸い、オタマジャクシや蛙を追うばかり。

お昼のお結びなんてとっく平らげてしまい、お天道様が頭上に来る頃には「腹へったあ」の連発。

ついに父も根負け。

「じゃあ、角屋のおでんでも行くか」と。

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「待ってましたあ!」。

角屋のおでんのためだけに、頑張って早起きしたのだから。

縄暖簾を潜ると、出汁の香りと濃厚な味噌ダレの香に鼻がピクピク。

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「給料前やでおでんは一本やぞ」。

父は小声で言うと、鉢に蒟蒻を1本だけ取り、店主の目を盗み出汁を溢れんばかりに注いだ。

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「懐が寒い時は、ただの出汁飲んどきゃあ腹も張るで」と。

しかし次に行ってビックリ!

出汁が山盛り掬えたあのおでん鉢は無くなり、薄っぺらな皿へと取り替えられていたのだから。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「岐阜新聞「 トーキングフラッシュ」2011.3.17」への6件のフィードバック

  1. オカダさんおはようございます。おでんは金沢に行くと必ず行ってます。日本酒で熱燗二合普段呑めないのにグイッと呑めてしまいます。

    1. 金沢おでん、ぼくも大好きですねーっ!
      でも、北陸新幹線の開通以来、関東からのお客様が挙って押し寄せられるようになり、味を落としてお金儲けに勤しむお店もあるようです。
      しかし結局は、ガイドブック的なものはアテにありませんよねぇ。
      店の佇まいや、店内の雰囲気、自分の好みに合わせたお店を見つけたいものです。

  2. おでん・・
    いいね~ぇ⤴
    「プッハ~ァ⤴」には欠かせないよぉ
    呑めんし呑まんで知らんけど!
    土筆なんて子供の頃、食べたきりで
    どんな?味だったか?
    確か?醤油味の卵とじだったと思うけど
    春になると今もおばさん達がビニール袋、片手に土手へ・・
    あれはきっと昭和生まれのご婦人達
    そんな風景もなくなって行くんでしょうねぇ!

    1. 食べ切れる訳でもなくとも、ついつい採り過ぎちゅうのが、人情ってぇ奴じゃないでしょうか?
      この前の日曜日の朝、毎週日曜日の午前中にお買い物に出掛けるスーパーでのこと。
      何でかと言えば、日曜日に出掛けると5%クーポンが頂けるからなんですけどねーっ。
      その朝の目玉イベヘントは、玉ねぎジャガイモの詰め放題!
      ご老人たちが群がって、殺気立っていたものです。
      ぼくは断念!
      ってぇーか、そもそも人混みコンプレックスですもの!

  3. おでんの出汁はあったまって良いですよね。子供の頃は味噌おでんでした。
    たまごと大根とこんにゃくを食べたらお腹いっぱいです。
    ご近所さんから頂いた大根を外気を冷蔵庫がわりに外に出していましたけど 今年もあまりの暖かさに冷蔵庫がわりにならなくなってきました。

    1. 天然の室ですよねーっ。
      ぼくもベランタの段ボール箱に、野菜を格納しています。

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