岐阜新聞「 トーキングフラッシュ」2011.1.20

「あっ、風邪かな?」と思うとつい、たこ焼きを思い出す。

ぼくにとっての刷り込みだろうか?

昭和半ばの子ども時代。

風邪で近所の小児科へ。

写真は参考

ぼくは注射が嫌で、駄々をこね母を随分困らせたものだ。

しかし小児科横の、小さなたこ焼き屋から立ち上る、醤油の焦げる匂いに釣られ、ついつい立ち止まってしまう。

「ええ子やで、ちゃんと注射我慢出来たら、帰りにたこ焼きこうたる」。

母は絶妙のタイミングでそう切り出した。

写真は参考

ぼくはまんまと母の策略にはまり、3個10円のたこ焼きと、注射の苦痛とを引き換えにしたものだ。

白い薄紙の袋に入った、湯気の立つたこ焼き。

子どものおちょぼ口では、持て余すほど大きなたこ焼き。

ハフハフと噛み締めれば、中から温かな醤油がトロッと溢れ出す。

これが何とも堪らないお御馳走(ごっつお)なのだ。

写真は参考

でもぼくの心の中に、一つの疑念が生じた。

小児科とたこ焼き屋が、隣り合せにあるのは偶然ではなく、注射嫌いの子を狙い両者が結託したからではなかろうかと。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「岐阜新聞「 トーキングフラッシュ」2011.1.20」への6件のフィードバック

  1. 子供の頃、近所に内科医院があって
    風邪ひくと、お尻によく注射を打たれました。
    と、言うと・・
    大抵の人は「え~~ぇ⤴お尻に注射なんて打った事がない」
    と言いますが、オカダさんはどうでした?
    ひょっとしてセクハラ医院だったのか?

    1. いやいやぼくもお尻に注射されたことがありましたよ。
      はてさて一体なんの注射だったかまでは記憶していませんが、2~3度臀部へ注射を経験したものです。
      腕に打たれるよりも、まったく痛みを感じなかった気がします。

  2. オカダさんお久しぶりです。私も幼少期は注射が大嫌いでしたが、大人になるとちょっとしたことでも注射を打つ自分がいます。今は時々整形外科で血管注射して仕事の活力源にしてます。

    1. 注射でも血液検査の採血でも、看護師さんが針を打つ瞬間だけは、ついついぼくなんてヘタレですから、中止できず目を逸らしちゃいます。
      情けなやーっ・・・。

  3. こんばんは(^-^)私も風邪引いた時に近く医院でお尻に注射打ちましたよ!お尻に注射打たれるの凄く痛いし嫌で医院を変えました!そしたらそこの医院はお尻も腕を打たないし飲み薬で約1週間で治るのでそれからそこの医院が行きつけになり何か20年通っていましたが昨年の12月27日で閉院になりました。先生も80歳近いのでね!もう限界と言っていましたし後継ぎがいないからねと寂しそうに話していましたよ!20年間お世話になりました!と先生に感謝の気持ちで言ったら先生今までありがとうねとほんのり微笑んでいました(^-^)/
    昔たこ焼きは家で作りましたよ(^-^)/友達呼んでたこ焼きパティーをやりながらカラオケ♪で楽しみましたよ(*^ー^)ノ♪あの頃が懐かしいです~よ(*^ー^)ノ♪

    1. 町医者に定年はないとはいえ、やはりご高齢になるとお医者様も大変なんでしょうねぇ。
      それにしてもたこ焼きパーティー、楽しそうですねぇ。

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