「 世界家紀行」㉑

04.9.24中日新聞三河版フジケン連載広告掲載

「キューバのお赤飯」

カテドラルから荘厳(そうごん)な鐘の音が鳴り響く。

写真は参考

カリブ海を(のぞ)む、世界遺産のオールドハバナ。

写真は参考

ちょっと気取って葉巻なんぞをくわえ、スペイン統治時代の面影が残る街並みをゆく。

クリスタルと銘打たれた、ちょっと薄味の地ビールを(あお)りながら。

写真は参考

何だかこうしていると、言葉も満足に()せぬのに、気分はキューバンボーイズそのものだから、手のつけようも無い。

写真は参考

老朽化が進んだ建物の向こうから、赤銅色(しゃくどういろ)の顔にゴアゴアの髭を誇らしげに蓄えた男が、ぼくを手招いた。

写真は参考

「まさか、モンテクリスティ?」。

恐る恐る、片言で問いかけた。

なぜこんなに可愛らしい名前なの!

明らかに名前負けの、いかつい男に肩を抱かれ、極東の地から訪ね来た小心者は彼の家へと。

3世帯9人の大家族が、130㎡の朽ち果てそうなアパートで寄り添いながら暮らす。

カリブの海にどっぷりと陽が沈んだ。

写真は参考

「お待ち兼ね!」。

ささやかな晩餐(ばんさん)の宵。

家族が小さなベランダに(ひしめ)く。

メインはポークソテーと、コングリと呼ばれるキューバ風のお赤飯。

写真は参考

もち米の食感には程遠いが、歓待された気になるから不思議だ。

もしも君がこの場に居合わせたなら、「そっかあ、キューバの人もお赤飯でもてなすんだ」って、妙に納得しちゃうかな?

でも、「それって、ちょっと違うんだよなっ!」。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「 世界家紀行」㉑」への2件のフィードバック

  1. キューバ
    うん⤴
    一度は行ってみたい国かも?
    なんてったって、走ってる車は・・
    1950~60年代のアメ車でしょう!
    クラシックカー中々見応えあると思う
    それに「カリブ海」も見てみたい
    後は治安が良いのか?親日家なのか?
    気になるよねぇ!

    1. ぼくも一度は訪ねたいと思ったキューバです。
      葉巻を燻らせラム酒をとことん煽って見たいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です