「 世界家紀行」⑳

04.9.17中日新聞三河版フジケン連載広告掲載

「グアテマラのタマーリ」

「あれっ、山田さん?にしちゃあ、ちょっと日に焼けた?」。

なんて会話が、グアテマラ・アティテラン湖を望む大地にこだました。

写真は参考

ここに暮らすマヤ族の一つ、カクチケル族の顔には、どうにも見覚えがあるようでたまらない。

まるでぼくの体内に流れる血潮と彼らの血潮とが、言葉など難なく飛び越えて()きあうかのようだ。

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山の斜面を切り(ひら)いて建てた、9坪足らずのワンルームの家に若い夫婦と子どもが3人。

別棟の炊事場に座り込み、妻がタマーリと呼ばれる、トウモロコシの粉に挽肉(ひきにく)を混ぜ、(ちまき)の要領でトウモロコシの葉に(くる)んで蒸す素朴な料理を手際よく作り始めた。

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黄色い団子と、トウモロコシの葉の緑が対照的なコントラストを(かも)し出し、(なま)(つば)を止め()なく湧き出させる。

「いったいどんな味がするんだろう?」。

蒸し上がる蒸気に、トウモロコシの甘い薫りが溶け出して、炊事場を(おお)()くす。

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「いただきま~す!」。

ほっこり蒸し上がったタマーリに想わず舌鼓。

さすがに本場、原産のトウモロコシ。

ぼくはきっと、今夜の君への絵手紙を「君と食べたら、タマーリません!」と結ぶだろう。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「 世界家紀行」⑳」への8件のフィードバック

  1. トウモロコシ「タマーリ料理」
    日本って、トウモロコシを粉にする料理ってあるのか?
    多分他にあると思うけど、コーンスープ位しか思い浮かばない
    後は、原型そのものを茹でたり焼いたり
    今年も結構食べたけど・・
    中々「うん⤴」と
    うなるほど美味しいトウモロコシ食べていない
    一度食べてみたいのが「生」で食べられるトウモロコシ
    どんな?感じなんやろぅ?

    1. トウモロコシのパウダーで作るパンの代わりのような、タコスとかこのタマーリとか・・・。
      この世には、まだまだ見知らぬ食べ物が存在しているんでしょうねぇ。
      日本の蕎麦がきのようなものとか。
      その土地土地の農産物ならではの利用法から産まれた産物なんでしょうねぇ。

  2. 街を歩いてると あれ?何処かで会ったような… って思う時 ありますよね⁈
    大半が見ず知らずの人なんですけどね(笑)
    でも もしかしたら 遠い遠〜い親戚だったり なんなら 何百年前に出会ってた人だったりして。
    ロマンチックだわ♡

    1. そう言うことってぼくにもあります。
      もしかしたら何百年か前の前世で、何かしら関りがあった方なんじゃないだろうか?って。
      悪縁だったら困りますが、良縁ならばそれこそロマンチックですよねぇ。
      「袖すり合うも他生の縁」なんて言葉もあるくらいですもの。

  3. 昔、フルーツ牛乳等に使う糊材の仕事をやっとる時、天然糊材にタマリンドがあったのを覚えています。枝豆みたいな作物から取れたものでしたが、やはりもちもちしてました。お写真を見ると、まさしくチマキみたいでうまそうですね。

    1. ぼくも実際食べたことはありませんが、モッチリとしていて、日本人にも向いていそうだなぁと思っちゃいます。

  4. 高校時代、世界史の先生が大昔はベーリング海峡は繋がっとって、わたしらの先祖であるモンゴロイドも南米に行き着いたと聞きました。顔や嗜好が似とるのも一理あるのかもしれませんね。

    1. 確かに南米の方や、ポリネシアの方とか、何とは無く似ている方をお見受けすることがありますねぇ。
      民族が長い間掛けながら、地球上を移動した証なのでしょうねぇ。

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