「 世界家紀行」⑱

04.9.3中日新聞三河版フジケン連載広告掲載

「天然暖房完備のアイスランドの家」

寒い。

おまけにとにかく夜が長すぎる。

一日の20時間も夜とは、何とも恐れ入る。

12月のアイスランド。

写真は参考

首都レイキャビックの凍て付く夜は、冷気が張り詰め、風に揺れるたびパリンパリンと、まるでガラスが割れるようだ。

この町の家々は、日照時間の短さを補おうと、いたるところに窓を取り付ける。

写真は参考

おまけに凍土の大地に森はなく、暖炉もなければくべる薪も無い。

しかし神は、この国を見捨てたりはしなかった。

凍土の下の火山溶岩の熱が、この国に暮らす人々に天然の暖を分け与える。

すぐそこには、氷河やツンドラ地帯が広がるというのに。

写真は参考

「やあ、どこから()って来たんだい」。

凍った道ですれ違う老婆に尋ねられた。

あれっ?

何だか生臭い。

どうやらそれは、老婆の口元から漂うようだ。

よくよく尋ねてみると、ビタミンD不足解消のために、魚の肝油を飲む習慣があるとか。

写真は参考

どうりで!

人が集まり会話の華が咲く場所は、どこも生臭いはずだ。

待てよ、ってことは!

この国の女性に恋したならば、まず何はともあれ肝油の臭いに慣れねば、(むつ)み合ってキスすることも(まま)ならぬと言うのか。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「 世界家紀行」⑱」への4件のフィードバック

  1. 一日の20時間も夜・・
    って事は4時間しか空の明るさがないのか~ぁ
    逆に白夜って太陽が沈まない現象もあるよねぇ
    どちらも生活するのが大変
    歳取ると、朝の目覚めが早いから
    どうしたらエエんやろぅ⤴
    体内時計がどうにかなりそう・・

    1. そこはやっぱり、夜長を愉しむ術ってぇのがあるんでしょうね。
      読書やら白夜を眺めながら瞑想にふけるもよし。
      だから北欧には、妖精が登場する物語がたくさんある気がしますねぇ。

  2. 小学校の低学年の頃、鮫の肝油ドロップを学校で買った記憶があります。甘くて美味しかったと思ったのですが、上手く味付けしてあったのですね。

    1. ぼくん家にも小学校で買わされた肝油ドロップがあったものです。
      美味しいからってついつい食べ過ぎちゃって、お母ちゃんのお目玉をいただいたものです。

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