04.8.27中日新聞三河版フジケン連載広告掲載
「大地に帰する家」
エチオピアの、干上がった誇りっぽい大地。

なぜか子どもの頃を想い出した。
土埃を撒き散らし、凸凹道を走りぬけた憎き大衆車。
入学式への道。
ぼくはピカピカのランドセルを重そうに背負い、母は黒い留袖に髪を結っておめかし。
しかし心無い車がゆき過ぎた後、ぼくと母は大地色したベールに包まれていた。
首都アディスアベバを西へ。

車で2時間のモウロ村は、見事なまでに大地と一体化している。
ぼくを乗せた車が村の中心部で止まった。
巻き上げた土埃の中から、土の柱のような男が姿を現した。
真っ白な歯とピンク色の歯茎を見せ、大らかに笑いかける瞳が何とも人懐っこい。
両手を大きく広げ、異邦人のぼくを藁葺き屋根の小さな家に迎え入れた。

もてなしはちょっと塩辛いコーヒーと、エチオピアのパンであるインジュラ。

飢餓の淵を彷徨うこの国では、最大級のもてなしのはずだ。
貴重な明日の食料なのに。

この大らかさは、いったいどこから来るの?
果てしなく広がる母なる大地。
感傷に耽るぼくの言葉など、一陣の風が土埃と共になんなく吹き飛ばして行った。
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エチオピア・・
赤道の少し上にある国でしょう。
飛行機で何十時間・・
私は遠慮させて頂きます。
流石に飛行機の中での何十時間は退屈
ただでさえ歳取って、せっかちなのにムリムリ⤴
飛行機はせいぜい長くても3時間
若い頃は長時間乗っていても全然気にならなかったけど
時間が勿体なく思えて来ました。
そうですかーっ。
ぼくは落ち武者殿とは真逆で、飛行機での移動時間ほど至福の時間はありません。
しかし高所恐怖症ですが、飛行機の中は別物です。
まだまだチャンスさえあれば、まだ見ぬ世界に出掛けて見たいものです。
川口浩の探検シリーズを揶揄した唄を思い出しました。唄の内容に笑いこけましたが、実態だったのでしょうね。僕はカノ番組がノンフィクションと思って食い入るように観てましたが。
子どもの頃って純真ですから、TV界の大人たちの茶目っ気たっぷりな冗談さえ、時に真に受けちゃったものですものね。