「 世界家紀行」⑧

04.6.25中日新聞三河版フジケン連載広告掲載

「小さなしあわせと、小さな青い家」

玄関先のポーチに佇む父と娘。

乾いてひび割れた地面が、娘の足の大きさに窪んでいる。

写真は参考

毎日この場所に佇み、いったい君は何をみつめているのか。

ただハイチに生きる褐色の肌が、青色の壁に鮮やかなシルエットを投じる。

写真は参考

時は川面に浮かぶ笹舟のよう。

悠然と揺れながら、ただたゆたう。

確かにここには、時間という観念の呪縛など見当たらない。

皆過ぎ行く時を見送りはしても、誰一人として時に追われ、時を追いかけようなどと、愚かしい考えを巡らせる者などいない。

写真は参考

子ども達は、臼と杵で穀物を搗き、片道15分も費やし、何度も何度も水汲みへと通う。

何世代にも渡り連綿と営まれた、ごくごくありふれた毎日が暮れてゆく。

わずか9坪足らずの小さな青い家。

クレオール語でふざけあう、家族の笑い声が溢れ出す。

写真は参考

手作り故のぎこちない家には、今日を支えあって生き抜いた、家族5人の小さな小さな幸せがこっそりと宿っていた。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「 世界家紀行」⑧」への2件のフィードバック

  1. 住めば都・・とはよく言ったもので
    最初は、えっ?と思っても慣れてしまう!
    私なんか、どう、あがいても小市民・・
    身の丈に合った生活を・・
    と、まぁ⤴真面目!

    *ところでさぁ コロナも八波に突入
     このままでは「ほろ酔いライブ」開催なんて・・
     でもさ~ぁ⤴巷では
     あっちこっちで、やれコンサートだのドームツアーだの
     相撲だってお客さんを集めて開催してるよねぇ!
     自粛しろなんて、なんか?腑に落ちないよねぇ❢
     感染対策をしっかりやれば、
     ライブ開催も夢ではないと思う!
    ♫ヤマもモの独り言でした♫
     

    1. その土地で生き抜くためには、自分の感覚を鈍化させ、すべての事に慣れて同化するように出来ているんでしょうかねぇ。
      「郷に入っては郷に従え」
      全くもってその通りですよねぇ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です