「 世界家紀行」④

04.5.28中日新聞三河版フジケン連載広告掲載

「イバン族のロングハウス」

首狩族の(いわ)れを持つイバン族は、ボルネオ島奥地の世界一の長屋に住まう。

写真は参考

地上2㍍は悠に越す、高床式ロングハウスを根城とする勇猛果敢な部族だ。

全身には入墨、両耳に鉄のイヤリングが垂れ下がる。

写真は参考

かつて一人前の男と認められるためには、他部族の首を狩らねばならぬ哀しい(おきて)が存在したとか。

若者は勇気を奮い立たせ、闇夜に大きな鎌を(たずさ)え首狩へ。

だが首を狩られた部族だって、たまったもんじゃない。

当然復讐の連鎖が始まった。

自衛手段の一つが、10世帯以上もの家族との共同生活になったとか。

また別の説では、焼畑農の共同作業の必要性からとも。

長い家屋は100㍍を越え、30もの家族が共に暮らす。

写真は参考

一つ屋根の下の、小さな小さな集落。

細長い家屋の片側は個人宅で、片側の長い廊下が共通の居間だ。

何だか考えただけでも、毎日が修学旅行の枕投げの部屋にいるような気分。

ここにはきっとプライバシー問題も、引き篭もりもないんだろうな。

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投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「「 世界家紀行」④」への4件のフィードバック

  1. もし日本に首狩り族があったとしてら?
    ヘタレの私は真っ先に狙われるだろうねぇ!
    でも、ヘタレも黙っちゃいない!
    声をひそめて、こっそり、ひっそりと
    山の奥、秘境にでも逃げる事にしょう!
    きっと仲間がいるはずだぁ!

    1. いつの世も部族対立があって、己が部族を男たちは護り抜いたんでしょうねぇ。
      でも落ち武者殿には、関ヶ原の戦乱を落ち延びた遺伝子が備わっていることでしょうから、きっときっと逃げおおせると思いますよーっ。

  2. お誕生日、おめでとうございます。
    ブログ配信ありがとうございます。楽しみにしておりますが、ご無理のない範囲で続けていただければうれしいです。
    高床式長屋の記事を読んだら、昨年と今年見つけた、自宅敷地内のスズメバチの巣を思い出しました。共にラグビーボールを倍にしたほどの容量がありました。いずれも業者にお願いして撤去していただきました。外敵に対して集団で身を守るのは生き物の知恵なのでしょうか。ウクライナで電気が絶たれて、避難所等で寒さに凍える人々に想いを馳せます。カオスな時代でありますがオカダさん、ご自愛ください。

    1. これまたお祝いのメッセージ、有難い限りです。
      動物も植物も人間も、身を寄せ合うことで外敵から身を護るものなんでしょうねぇ。
      ポン吉さんもどうかくれぐれもご自愛ください。

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