毎日新聞「くりぱる」2006.3.26特集掲載②

素描(スケッチ)漫遊(まんゆう)(たん)

「仮面の忍者赤影」

今回の「素描(スケッチ)漫遊(まんゆう)(たん)」は、4月14~15日に幕を開ける高山祭りの岐阜県高山市が舞台。

動く陽名門とまで称される、絢爛豪華な山車の時代絵巻。

写真は参考

飛騨の匠の技がそこかしこで、うららかな春の陽射しに照り映えることだろう。

観光客で賑う黒塀の家並をゆく。

写真は参考

軒を飾る民芸調の土産物。

飛騨牛の串焼きに濡れ煎と、芳ばしい醤油の香が鼻先をくすぐる。

写真は参考

行く先々には誘惑が、引く手あまた。

小腹も空いて思わず立ち止まってしまう。

「高山って言えばやっぱり!昭和半ば生まれのぼくらにとってのヒーロー。『だいじょうぶ!』の青影でしょうに!」。

写真は参考

鼻の天辺に親指をあてがい、それを軸にして広げた掌で弧を描いてみた。

赤影・白影・青影の仮面の忍者って、飛騨の忍者だよなぁ。

写真は参考

赤影もカッコよかったけど、やっぱぼくにとって、同世代だった少年忍者青影が一番だった。

ちょっとドジでオッチョコチョイ。

それでも大人の忍者に混ざって、敵をやっつけちゃうから痺れちゃう。

写真は参考

ぼくらはテレビ番組が終わると、誰もがすっかり青影になりきったものだ。

棒っ切れを背中に結わえ、クレパスで青く塗りつぶした広告紙の仮面を輪ゴムで耳に止め。

颯爽とご近所中を走り回ったものだ。

写真は参考

でももうそんな子、人っ子一人見たことが無い。

そもそも棒っ切れなんて、何処にも見あたらないし。

チャンバラゴッコなんて、そんな言葉さえなくなっちゃったのかなあ。

「ああっ!」。

土産物屋の店先に、埃を被った玩具の剣と赤陰の仮面。

写真は参考

路往く観光客は誰一人手に取ろうともしない。

昭和はまた一つ確実に、遠のいて行ってしまった。

さあそれでは一足お先に、待ち遠しい高山祭りの欠片を探して、のんびりゆっくり漫ろ歩いてまいりましょう。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「毎日新聞「くりぱる」2006.3.26特集掲載②」への4件のフィードバック

  1. 「仮面の忍者赤影」懐かしいねぇ ❢
    今では再放送だけでしか見なくなった時代劇
    時代劇と言えば
    わたくしも、戦に敗れて、いつまでも落武者ではいられない
    落武者ヘヤ―から・・けじめをつける為にも・・
    近いうちに、綺麗さっぱり髪を切りたいと思います。
    だから、もう落武者とは言わせないよ~~ぉ⤴
    まぁ~昔に戻るだけだけどねぇ ❢
    髪よ、さらば~~ぁ⤴(元々無かったけどぉ!)

    1. 「仮面の忍者赤影」よく見たものです。
      赤影、白影、青影。
      ぼく的には、あの素っ頓狂な青影がお気に入りでした。

  2. 「赤影 白影 青影」って飛騨の忍者だったんですね。
    凄い記憶力です。
    岐阜の夏休みは早く終わるから
    再放送の「忍者はっとり君」の最終回は毎年 観れないままで「東京の夏休みは8月31日まであるんやと〜」とか「岐阜の冬休みはそのぶん長いんやよ」なんて聞いてました。

    1. なるほど、岐阜県の夏休みって短くッて、その分冬休みが長いんでしたねぇ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です