毎日新聞「くりぱる」2004.1.25特集掲載⑦

素描(スケッチ)漫遊(まんゆう)(たん)

「尾張大國(おおくに)(たま)神社(国府宮)」

写真は参考

厄年、裸男、なおいぎれ、神男、大鏡餅と言えば、国府宮の「はだか祭り」を連想する人が多いことだろう。

この一般に呼ばれる「はだか祭り」とは、尾張大國霊神社(国府宮)で毎年旧暦の1月13日に行われる「儺追神事」のこと。

今年(2004年)は、2月3日火曜日となる。

祭りのクライマックスは、なおい笹を掲げて神社に寄せ来る裸男たちの集団が、「儺追人=神男」に触れて厄や穢れを払い落とそうと、壮絶に揉み合う勇壮なシーンが有名だが、これは江戸時代末頃に一般向けに始まったとか。

本来は、翌日午前3時に斎行される「夜儺追神事」のことで、称徳天皇の勅命により、悪疫退散の祈祷が全国各地の国分寺で行われた際、尾張国司が総社である国府宮神社において祈願したのが始まりと伝えられている。

「私も神官でなければ、裸男の一人となって、あの勇壮な祭りの中に飛び込みたいほどです」と、 尾張大國霊神社(国府宮)の(ごん)禰宜(ねぎ)の片山貢さん(40)。

儺追神事を取り巻く行事は、旧歴正月2日の標柱(しめばしら)建式と儺追人(神男)選定に始まり、旧歴1月25日のおない茶会まで、のべ24日15行事に渡る。

それら全ての神事や行事には、どれも(おろそ)かに出来ない大地の神と密接に結び付いた、深く壮大な意味合いが存在する。

参考資料

一千年を超える(いにしえ)から、先達(せんだつ)の遺した悪疫追放の厳かな儀式が、時を超え(うつつ)の世に蘇る。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

投稿者: okadaminoru

1957年名古屋市生まれ。名古屋在住。 岐阜県飛騨市観光プロモーション大使、しがない物書き、時代遅れのシンガーソングライター。趣味は、冷蔵庫の残り物で編み出す、究極のエコ「残り物クッキング」。 <著書> 「カカポのてがみ(毎日新聞社刊)」「百人の天職一芸(風媒社刊)」「東海の天職一芸(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸2(ゆいぽおと刊)」「東海の天職一芸3(ゆいぽおと刊)」「長良川鉄道ゆるり旅(ゆいぽおと刊)」

「毎日新聞「くりぱる」2004.1.25特集掲載⑦」への6件のフィードバック

  1. 国府宮はいつも
    名古屋へ行く時、名鉄電車の窓越しから観るだけ・・
    一度も訪れた事がない・・
    熱田神宮は行った事があるのに
    国府宮一度お参りに訪れたいと思う神社の一つです。
    神社へ行くと、なんか?
    落ち着くよねぇ ❢
    歳だけは落ち着いているんだけどさぁ⤴

    1. ぼくも神社仏閣巡りに癒しを感じるようになって久しいです。
      初めて訪れた町でも、時間があればその地の有名な神社仏閣に、知らぬ間に足が向いてしまっていますもの。
      あの世が近付いている証なんでしょうかねぇ。

  2. 『 一千年を超える古…
    時を超え現の世に蘇る 』

    なんて素敵な言葉の数々。
    上手く言えないけど この言葉だけで いろんな想いや感情が溢れそうです。
    心臓がときめいて まるでタイムスリップしたかのように 目の前に場面が映し出される感覚にも…。
    やっぱりオカダさんって凄いです。
    ホント尊敬しちゃいます( ◠‿◠ )

  3. 何年も続いて来た神事が、中止や縮小される日が来るなんて誰が想像したでしょう。それでも、踏ん張って守っていって欲しいですね。

    1. 必ずや復活されると信じています。
      そんな男気に満ちたお祭りですから!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です