

美濃路彩るモミジ葉が 長良の川に紅を引き
ヒンココチャイココチャイチャイホイ 五穀の神も舞い降りる
天王山の麓では 実りを祝う声弾む
子らは手に手に串刺し団子 大矢田の秋の五平餅

「木製万能書見台」

「おっ?早起きして、寝床で本読んどったんか?どれどれ、どんな本読んどったんや?………?何やこれっ!小学生の癖して朝っぱらから、エロ本広げて女の裸眺めとるとは何事や!」。
運の悪い日には、間の悪いことが絶妙に連鎖し、思わぬ増幅効果をもたらすから堪らない。
「まあかん。今夜お父ちゃんが帰ったら、どんだけ泣き喚こうがたっぷりお灸据えてまうで!えかっ!」。
母は捨て台詞を吐き、襖を力一杯に閉め立てた。
折しもエロ本事件が勃発する1週間前、学校では「読書週間」が始まっていた。
「なぁ、布団の中でも寝たまんま本が読めるっていう、万能書見台買ってよ。ちょうど読書週間やし、寝る寸前まで湯川秀樹とか北里柴三郎の伝記を読んで勉強したいし…」。
親にしたらこの「勉強したい」という言葉は曲者。
少なくとも、鳶が鷹を生むなんぞ、ありはしないとわかっちゃいても、もしかしたら親に似ず、出来がいいのじゃなかろうかと、あらぬ期待を抱いてしまうのだから。
それが証拠に両親は、近所でも新し物好きと名高い、ご隠居の家へと向かい、金属製の最新式と言う書見台を見学。
とは言え、おいそれと買える代物では無い。
そこら辺の端材を使って、父が見よう見真似で拵える手筈となった。
「どや?父ちゃん手製の木製書見台は?さあはよ、布団に入って本を宛がってみ」。

なんだか熱でも出して寝込んだ時に、枕元から吊り下げられた氷嚢釣りさながらの、奇怪な形をした書見台が、仰臥した顔の前に立ちはだかる。

寝ぼけ眼で飛び起きようものなら、頑丈極まりない無骨な書見台に、顔面を打ち付けるのは必至。
それでもともかく嬉しかった。
その週末。
三重の田舎から、8つ年上の従兄が泊りにやって来た。
来春就職予定の会社の寮を訪ねるとかで。
従兄を本物の兄と慕っていただけに、ぼくはすっかり有頂天。
ちょっと大人びたお兄の、四方山話や与太話に付き合うだけで、背伸びでもして大人の世界を覗き見る気がしたものだ。
「お前、平凡パンチって見たことないやろ?そりゃあもう、むしゃぶりつきたなるよな、別嬪のネェチャンの裸が仰山出とるんやさ」と、お兄は旅行鞄をガサゴソ弄りながら、思わせぶりにぼくを見詰めた。

当時小学3年のぼくにも、お兄の言わんとすることが、薄ぼんやりと分かる気がした。
その夜、ぼくの煎餅布団の横に客布団を敷き、お兄が休むことに。
するとお兄が「その書見台ええなあ?ちょっと布団代わってくれへんか?」と。
もう一刻の猶予もないほど睡魔に襲われていたぼくは、お兄に乞われるまま客布団で玉砕。
朝方目を覚ますと、お兄はトイレへ向かったのか、ぼくの布団はもぬけの殻。
寝ぼけ眼のまま所在なく立ち尽くしていたところへ、母が押し入って来たと言うわけだ。
どうせ濡れ衣を着せられ、こっぴどく叱られるんだったら、お兄がトイレに立った隙に、馨しい禁断の女体とやらを、この目に焼き付けておくんだったと、幼いながらそう悔やんだものだ。

このブログのコメント欄には、皆様に開示しても良いコメントをドンドンご掲示いただき、またその他のメッセージにつきましては、minoruokadahitoristudio@gmail.comへメールをいただければ幸いです。

「クックック」とか「うひょひょ」とか もう わらわかして貰いました。
今日くらいが 本当の秋ですよね。過ごしやすいですね。
男坊主どもは、多かれ少なかれそうした思春期の道を、喘ぎながら通ってゆくんじゃないでしょうかねぇ。
悔やむとは、子供でも『男』は男なんですねぇ(フッフッフッ) 今も興味ある?「ある」って答えても「ない」って答えてもそれはそれで・・・。愚問でした。
子どもだって立派に、男の端くれですもの。
平凡パンチ、週刊プレーボーイ
私の時代、この雑誌をドキドキしながら見たもんです。
悪ガキのお兄さんが買って持っていたので
我々に届いて観る頃には一ヵ月遅れ、ジッと我慢で
待ち遠しく待っていました。
その後、擦り切れるぐらい皆で回し読み!
ぼくらも神社の境内の植え込みとかに捨てられた雑誌を拾って、皆で覗き込んだものでした。
ところが雨に濡れては乾いての繰り返しのせいか、肝心要のカラーページのところに限って、ページとページがくっついちゃって、どうにも剝がすこともままならず歯痒い思いをしたものでした。
私が、手の複雑骨折で府立病院に入院している折、義理の兄が簡便な折り畳み式の金属製の書見台を持って来てくれました。ページを繰るのは手でしたが、それでも便利でした。
妖しい本を初めて見たのは小学校の時に、田舎の床屋で順番待ちしているときでした。「週刊◯話」や「週刊◯衆」といった本がマンガ本に混ざって置いてあったので、小賢しい私は、マンガ本に挟んで、そういった類の本を読んでいました。
そう言えば漫画本の間にエロ本を挟み込んで、人の目を盗むようにしてページを繰ったこともありましたねぇ。
我が家の男坊主二人も 一応男の端くれ…
長男は 昔からきれいな美人女性がタイプで 次男は 可愛い女性がタイプ。
長男は テレビできれいな女性を見つけると画面を指差して「 んっ! (この人名前は?検索してみて!) 」 と要求してくるので タイプの女性がすぐわかるのです(笑)
本当の年齢と精神・知的年齢がアンバランスな息子達だけど やっぱり男性だなぁ〜と嬉しくもあり切なくなる母なのです。
みなまで言わずとも心が通じ合うなんて、それこそ素敵な事じゃないですか!
同じ言葉を話す同じ民族であっても、言葉だけが空回りして、ちっとも心に響いてこない言葉を棒読みの様に並べたくるどこぞかの政治家より、以心伝心です。