-早朝の住宅街。
夥しい数の赤色灯。

規制線の向こうには、自転車が倒れ新聞が散乱。
傍らには、腹から血を流した男が、突っ伏したままだ。
「山さん。これ見てください!」。
若い刑事がベテラン刑事を呼び止めた。
そこには血で書かれた「ト」のような文字とも、矢印にも見える不思議な模様が描かれ、右上に「・」のような印。
「ダイイング・メッセージか?」。
「ガイシャの身元は、毎朝新聞販売店の配達員、奥田健太32歳」。―
これは今から15年前。
TVキー局のドラマプロデューサーに紹介されたプロダクションで、先輩シナリオライターの名前を借り、サスペンス物のシナリオを書いていた時代の、ネタ帳の抜粋だ。

それにしても当時は、朝から晩まで明けても暮れても、人の殺し方と犯行の動機、そして謎解きばかりを考えていたものである。
そんな頃、少しでも生活の足しになればと、新聞配達の見習いを志願。

早速先輩の後から配達先を巡った。
先輩によれば、配達ルートを頭に叩き込むまでは無給とか。
そう聞かされ、早やくもその過酷さに初日から挫折。
その時のことだ。先輩が手にしたメモ帳に、不思議な符丁が配達順に、描かれている事に気付いたのは。

それが先の奇妙な文字だ。
片仮名の「ト」のやや右上に「・」が一つ。
つまり一軒先の、右隣の家を指すものである。
二軒先なら「・・」、左側の二軒先なら「ト」の左上に「・・」。
符丁が記された手帳を、順に手繰りながら巡れば、その区域の配達が完了すると言う優れ物。
符丁を手掛かりに、主人公が謎を解き明かし犯人を追い詰める、そんな設定だった。
確かに警察官や新聞記者を始め、それぞれの業種において様々な符丁が存在している。
ましてや一つ屋根の下で暮らす家族にも、他人では伺い知る事の出来ぬ、その家族だけの、府庁ならぬ家言葉が存在する。
しかしそれこそが、家族が家族である証かも知れない。
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なんかさ~ぁ⤴
パトカーとか警察官見ると何も悪い事してなくても
「ドッキ!」っとするよねぇ!
えっ?私だけ・・
私のポリシーは!
人の前ではイイ人で、陰に隠れれば分からないように悪事を重ねる!
どぉよぉ!
みんな、くれぐれも冗談だからねぇ!
悪い事する時は黙ってするから・・
違う違う!
悪いことは黙ってしたって悪い事ですよ!
そこんとこ、ヨロシク!
え〜!サスペンスドラマのシナリオも書いてたの〜?
もしかしたら当時見てたかも⁈
謎解きだけならまだしも 一日中 犯人側の事も考えてるなんて…(怖)
作家さんって 頭の中の引き出しが無数にあるだろうし 切り替えが速そう。
尊敬しちゃう( ◠‿◠ )
まぁ、ぼくは遣いっ走りのような、ゴーストライターでしたから、まだ100均の使い捨てライターの方が、どれだけスグレモノか!
でもそれもいい経験となりました。
若い頃はサスペンスドラマが
好きで1週間に1回だけ見てました。
けれども 今となっては 怖すぎて よく見ていたなぁ〜と思います。
子供の頃は
田舎の(家の)郵便ポストには
チョークで新しくチュウと書かれると新聞配達の人が変わったんやね〜とゆう話になってました。(チュウは中日新聞です)
しかし人の家のポストにチョークで符牒を印すとは!
なんとも大胆で大らかな時代でしたよねぇ。