この時期、赤提灯の縄暖簾から、秋刀魚の焦げる匂いが漂って来ると、つい後ろ髪を引かれ立ち止まってしまう。

「ただいま~(小声)!」。
玄関の引き戸をこっそり開け、上り框にランドセルを放り出し、グローブ片手に一目散に広場へ駈け出そうとすると、どこで見張っていたものか、母に決まって呼び留められた。
「野球しに行ってもええけど、お父ちゃんが帰って来るまでに、練炭の火を熾さなかんで!」と。
さすがにこの時期は、草野球に高じる友とて、状況は皆同じ。
きっと母親に、そんな台詞を浴びせられていたに違いない。
だから日が暮れかけようものなら、皆一斉に家路を急いだもの。
パタパタパタ。
破れ団扇で七輪の風窓を仰ぐ音が、向こう三軒両隣の玄関先で一斉に鳴り出す。
たいがい七輪の火熾しは、どこも概ね子どもの仕事。

上手く火が熾せず困り果てようものなら、いつしか近所のご隠居が傍らに屈み込み手を差し伸べてくれたもの。
そんな穏やかな光景こそが、昭和半ばの釣瓶落としに暮れ行く、秋の宵でもあった。
さて庶民にとって無くてはならぬ、秋の味覚の王者の秋刀魚。
三重の方言では「サイロ」、さらに少し下った和歌山では、「サイラ(佐伊羅魚)」と、古来より呼ばれる。
黒潮と共に北上し、北海道や三陸沖で水揚げされる、脂も滴るほどの秋刀魚が好もしい。
一方、親潮に乗り産卵し南下する、脂も落ち痩せ衰えた戻り秋刀魚の朝獲れは、「かんぴんたん(痩せて腹も空っぽ)」の丸干しや、サンマ寿司に最適である。
ところで秋刀魚の学術名は、「Cololabis saira(コロラビス・サイラ)」。
三重の「サイロ」や、和歌山の「サイラ(佐伊羅魚)」に由来するものとか。
それ故、漁師の漁法も異なるそうだ。
昭和半ば。鯉口シャツにステテコ姿の父が、七輪で秋刀魚を焼く姿がどうにも偲ばれてならない。

ならば今宵は、父の好物だった秋刀魚でも焼いて、それを肴に父を偲び一献傾けるとするか。
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ちょっと早いけど今年の秋刀魚は大漁なんでしょうか?
毎年々、今年の秋刀魚は不漁だとニュースで聞くけど・・
昔は当たり前に秋になると食卓にあがっていたけど
やはり「旬」の物は頂きたいもんねぇ!
「旬」と言えば、今年も美濃加茂の山之上果実へ「梨」を買いに行きました。
ホント!水分が豊富でほんのり甘くて美味しい「幸水」でした。
山之上の幸水ですかぁ。
これまたぜっぴんですものねぇ。
なんとも羨ましい!
今年こそは 秋刀魚を食せねば。
確か去年は 高い値がついてたような…
だから 気が付いたら一度も食べずに旬が過ぎてしまった。
秋めいてきたら 鮮度の良い秋刀魚を探してみようかな⁈ ( ◠‿◠ )
年々サンマも高価になっちゃいましたねぇ。
昔はそれこそ庶民の胃袋を満たしてくれたのに。
そう言えば先日、土用の丑の日。
わざわざ高値になって込み合う鰻屋に出掛ける気も無く、サンマの蒲焼缶を使って、サンマの蒲焼まぶしを作って見ました。
ところがどっこい!
下手な鰻のまぶしに勝るとも劣らず、大変安上がりな逸品となりましたぁ。
オカダさん 凄いですね。
ここでクッキングが
あったとは 見つける事ができて良かったです。
美味しそうですね。この時間に見つけてしまって
おなかが ぐぅ〜〜〜っです。
今日は防災用品を買いに行き
鯖の缶詰ほんとに食べたくなるのかなぁ〜とか思ってしまい買ってこなかったので
次回はサンマの蒲焼缶にしてみます。
安くって旨い、どこかの丼やのキャッチフレーズみたいですが、本当にお手軽で美味しかったですよ!
ぜひお試しあれ。
『パタパタパタ! フゥーフゥー!』
七輪の上には 茄子や秋刀魚が (◍•ᴗ•◍)
子供の頃 夕方になると伯母が七輪に火をおこし 庭先では 姉と私
うちわで パタパタ パタパタ
フゥーフゥー フゥーフゥー 焦げないように お手伝い (◍•ᴗ•◍)
時には ちょっと味見??♥(◍•ᴗ•◍)❤
秋刀魚 昨年は食べてな 〰〰 い
(。ŏ﹏ŏ)
大雨、洪水警報
コロナ 岐阜市は300人越え
ゆっくり眠れない日々
(。•́︿•̀。) ヘトヘトです
この所各地で急増のコロナ感染者数。
もう他人ごとじゃありません。
己を己が何としても守らなくては、政府もあてにはなりませんものねぇ。