「ヒポクラテスの誓いが医者の矜持なら、私たちはナイチンゲール誓詞を、今一度心で復唱しましょう。そしてこの台風に怯むことなく、今まさに、この世に産声を上げんとしている小さな命を、必ずその手で取り上げて下さい」。

看護の灯火に浮かび上がる、白地に赤十字の看護帽。

まるで初めて誓詞を口にした、載帽式のあの日のようだ。

折からの暴風雨で停電した看護詰所に、婦長の声が凛と響いた。
54年前(2013.09.26時点)の今日、昭和34年9月26日午後9時。
潮岬に上陸した大型の台風が、満潮時の伊勢湾を北上。
東海地方を中心に、犠牲者数5098人を数えた、昭和の三大台風「伊勢湾台風」の来襲だった。

名古屋市中村区の日赤病院。
産婦人科病棟にも、見る見るうちに水が押し寄せた。
「満潮と重り、あっちでもこっちでも、妊婦さんが産気づいちゃって。私たった一人で、4人の赤ちゃん取り上げたんやで」。
老産婆が、懐かしげに当時を振り返った。
79歳の今も愛知県東海市で、助産婦を続ける山口みちるさんだ。
「私の助産婦人生は、あの伊勢湾台風の大水害の夜から、始まったようなもの。あの晩、4つの新しい命を、無我夢中でこの手に取り上げた。それが自信となり、半世紀かけ1万人以上の赤ちゃんを、この手で取り上げられたんやで、なんて幸せ者やろ」。

みちるさんが、両の掌を差し出した。
5千を超える尊い命を奪った伊勢湾台風。
みちるさんは半世紀以上を費やし、その倍に当たる新たな命の産声を、羽二重のおくるみの様な柔らかい掌で、受け止め続けて来たのだ。
消え入る命と、やっと産声を上げたばかりの命。
命の燈火が交錯した54年前のあの夜。
みちるさんの両手は、今も4つの命の重さと尊さを、はっきり記憶し続けている。
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伊勢湾台風は私が生まれる前のことなので育った昭和区も山崎川が溢れたと聞いてますが、本当に未曽有の台風で甚大な被害をもたらしたようですね。
ぼくは当時、1歳と10か月でしたので、さっぱり記憶にありませんが、当時の資料に触れる度、逆に記憶に刻まれなかった事が幸いに思えるほど、凄惨な自然災害だったのですものね。
何か?
今の自然災害って自然では無くて・・
今まで人間がして来た事の「つけ」ではないでしょうか?
熱海の土砂災害だって疑惑の「盛土」
温暖化もしかり!
子供の頃「竜巻注意報」なんてなかったし
遠い未来には地球に住めなくなるかもしれない・・
そう、思うと一日一日大切に悔いの無い様に過ごしたい!
とまぁ~⤴偉そうな事を言いましたが・・
67歳のたわ言だと思って下さい。
人間の傲慢さと欲深さが招いた結果なんでしょうねぇ。
そう言うぼくだって、一応そんな人間の一人なんですけどねぇ。
残念!
伊勢湾台風の時も そして ここ数年の間に起こった災害の時も 同じような状況があったんでしょうね。
妊婦さんは どんな想いだったのか?
想像するだけで苦しくなります。
でも助産師さんの存在は そばに神様がいるぐらいの心強さがあったと思います。
命の尊さ… 最近 新たに痛感しています。
どんなにちっぽけな虫たちにも、命が宿っているんですものねぇ。
たいせつ、たいせつ。
お産は待った無しですもんね。私もトータルで一ヶ月入院してたのですが、陣痛は突然に・・・。
女性には、命の誕生を生まれ来る子と分かち合うと言う、ドラマチックな瞬間を味わうことが許されているんですものねぇ。
この記事を読んだ後だったので
昨日は
防災用品のコーナーで立ち止まって
前から気になっている 商品の所で悩み 今日はこれを買いにきたわけではないからと その場を後にしました。
もう一度 備蓄品も見直してみる良い機会になりました。ありがとうございます。
いつ何時、そんな災害に見舞わられるかなんて、何人にも分かりませんものねぇ。
それだけに気付いたときに、備蓄品もチェックしなきゃいけませんものねぇ。
38年前 息子を とりあげてくださった助産婦さんに 感謝 感謝です ❣
あの時の あの助産婦さんの判断が違っていたら ??
経験豊かだった助産婦さんのお陰で 無事に逆子のまま 普通分娩で 元気に私の腕の中に来てくれました (◍•ᴗ•◍)❤
最近は突然の雨が多く 自転車通勤の私は 雨レーダーが頼りです ❣️
ぼくも逆子で、顎が引っかかってなかなかの難産だったようです。
だからこの世に生まれ出でた時は、真っ青で血の気も無く、産声すら上げなかったとか。
そこで産婆さんがぼくの両足首を掴んで、頭上でグルグルと振り回したそうです。
それでやっとやっと産声が上げられたようです。
そんな産婆さんと母との記録が、母子手帳に手書きで綴られています。