街角にクリスマスキャロルが流れると、ついクリスマスケーキが恋しくなる。
しかもバタークリームで、コッテリ塗り固められたものを。

我が家に、クリスマスケーキがお目見えしたのは、確か昭和39年頃。
ケーキ屋で、指を咥え眺めたものとは桁外れ。直径10センチほどのものだった。

当時父は、小さな町工場の鉄工所に勤めていた。
社長や社員の多くが、共に復員兵ばかりだったという理由で。
だからか何かにつけ家族的だった。
年始式には、折り詰めの生菓子。

桜が咲けば、家族を伴い花見の宴。

秋のおはぎに、暮れともなれば鏡餅まで振舞われた。
ところが、東京五輪の年の瀬から、鏡餅はちっぽけなクリスマスケーキへと一変。
筋金入りの仏教徒ばかりの町工場で、老敗残兵たちは、戦後20年を経て、敵国の祝祭を受け入れたのだ。
卓袱台の中央には、小さなバタークリームのこってりしたケーキ。

それを囲むクリスマスディナーは、何時もと同じメザシと芋の煮っ転がしに納豆。
母が嫁入りに持参した、一本きりの菜切り包丁で、ケーキを切り分けた。
ぼく、父、母の順の大きさに。
「胸焼けしてまうで、ちょっとだけ呼ばれるわ」。
母はいつも何かに付け、尤もな口実を繕っては、端っこばかりを口にした。
だが当時は、そんな親心にも気付かず、すっかり有頂天。
「美味しいか?」。
「うん!でも、何かネギ臭い」。
「しまった!さっき包丁で、ネギ刻んだまんまやった」と母。

今年こそは、25日の夕暮れ時を待ち、叩き売りになる、クリスマスケーキでも買うとするか。
母が毎年そうしたように。
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恋人達の一年通して・・
一大イベント!クリスマス
私はキリスト教徒ではありませんが!
この日ばかりは譲れない!
何故か?クリスマスイブクリスマス大好き!
何か?ウキウキ⤴ワクワク⤴する!
ま~ぁ⤴心は純粋な少年だもんねぇ!
ぼくも落ち武者殿同様、押しも押されもせぬ仏教徒ながら、クリスマスのムードは大好きですって!
何だか意味も無くワクワクするのって、よっく分かりますもの。
子供の頃、子供会の催しでクリスマス会があり、一人1個の小さなクリスマスケーキを貰いました。兄もいたので我が家には2個。勿論、バタークリーム。
バタークリームのケーキって、沢山食べると胸焼けしそうですが、それでも食べたくなっちゃうときがありますねぇ。
そうでした そうでした…
こってりとして少し固めのバタークリームケーキ(笑)
小さい頃は食べてたんでしょうけど 今は ちと無理ですね( ◠‿◠ )
クリスマスの朝 枕元にお菓子入りの長靴が置いてあったのを覚えています。
あと 子供会でプレゼント交換をする為に可愛い文具などを選んだ記憶も。
年代によって クリスマスの感じ方が違うけど 今でもキラキラした景色や雰囲気は好きですね♡
クリスマスの頃の凛としたあの寒い空気が、街のあちこちでキラキラと輝くクリスマスイルミネーションの灯りを、よりいっそうきれいに見せてくれるようで、いいオッサンになった今でもやっぱり胸躍っちゃいますねぇ。
バタークリームのケーキのお話が出てくると 不思議と食べたくなりますね。「この緑のはふきやと」と聞いた時はそれはそれは驚きましたもん。
あの飾り物の緑の葉っぱのようなゼリーは、蕗だったんですかぁ!
いやいやお見事!
当時のバタークリームケーキ、今の子供達が食べたらきっとビックリするでしょうね…(笑)
あの独特の食感、あまりのくどさに食べはじめは良かったのですが途中でやめて翌日へ残していました。
次の日に学校から帰って残りを食べると妙に美味しく感じた物です。
装飾のメリークリスマスの包装された板の中身がチョコレートだったのを兄弟の誰も気付かず翌日発見してすごく嬉しかったのを覚えています、もちろんこっそり美味しく食べました!
同感です、同感ですって!