今日の「天職人」は、岐阜県土岐市曽木町の「竹皮羊羹職人」。(平成23年12月3日毎日新聞掲載)
峠の茶屋に湯の煙 ちょいと一服草鞋解き 熱い茶啜る旅の空 郷土の菓子に舌鼓 餅に団子に練り羊羹 土地の風土と滋味深さ 茶屋の女将に絆されて 竹皮羊羹もう一つ
岐阜県土岐市曽木町で、明治20(1887)創業の竹皮羊羹本舗池田屋。五代目主の中島薫さんを訪ねた。

竹皮の細紐を解き、竹皮の両端を開く。
次に羊羹の両端ギリギリで、竹皮の耳を断つ。
後は羊羹の中心に包丁を入れ、真っ二つに。
さらに正方形を、斜めに切り落とす。

後は竹皮ごと掴み、皮を捲って口に放り込むだけ。
「竹皮のお陰で、指先もベトつきませんやろ」。薫さんは、首尾よく羊羹が切れたろうかと覗き込んだ。

「初代は多治見の池田町の出身で、屋号が池田屋なんです。昔は竹薮ばっかりで、包装資材も今のようにありません。だから殺菌効果の高い、竹皮が重宝したんでしょうな」。
薫さんは昭和28(1953)年、3人兄弟の次男として誕生。
高校を出ると家業に就いた。
「昭和45年頃は、祖母が始めた、萬屋も兼ねてましてね。食料品から日用雑貨まで何でも扱う、今で言うコンビニですわ。だから萬屋の方が主流で、羊羹は店の片隅に追いやられ、細々作り続けるような時代でした。だってその頃は、他に食料品店なんてありませんし」。
当時は無添加の羊羹を、ただ竹皮に包むだけの裸売り。
「ですから夏は1週間、冬で2~3週間の日持ちでした」。
その後先代は、真空のパック詰めを試みた。
「でもあかんのです。真空パックやと、糖が出て開封するとべた付いて」。
昭和56年、地元の真理子さんと結ばれ、二女を授かった。
平成元年、賞味期限問題に一条の光明が差しかけた。
「信州の生菓子業者が来ましてね。賞味期限見たら、1ヶ月もあるやないですか。『お宅は何でそんなに日持ちするの?』と、思わず尋ねてました」。
それから包装資材屋と掛け合い、竹皮羊羹に適した、脱酸素剤の量をつき止めた。
「羊羹の水分量で、脱酸素剤の量が異なったんです」。
平成7年、近郊のあちこちに、スーパーの出店が相次いだ。
「これを機に、店を建替えようと。それまでは、羊羹の製造場が小さかったんで、それを広げて本来の羊羹製造に力を入れようと。でも近所のお年寄りらが、当てにして食品やら細々したもんを、買いに来てくれますんで、食品や日用品の一部は残して」。
薪焚きの竃からガスバーナーへ。
餡も手練りから製餡機へと、一部に機械化を導入。
だが125年を迎える家伝の羊羹は、昔ながらの配合そのままだ。
竹皮羊羹作りは、十勝産小豆を煮ることに始まる。
それに水飴、中双糖(ザラメ)を加え練り上げ、一晩掛けて冷ます。
次に繋ぎとなる小麦粉を加えて練り、広げた竹皮に餡を盛り付け(巾8、長さ15、厚さ1センチ)、竹皮を割いた紐で結ぶ。

そして蒸し上げ、2晩冷まして包装すれば完成。

「家は繋ぎに寒天を使ってません。だから、もっちりシコシコした、独特の食感が味わえます」。
1世紀以上も里で愛され続ける竹皮羊羹。
素朴さゆえに味わい一入だ。
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その切り方を知らなければ、当然のように竹皮を剥がして羊羹だけを切ってますね。やってみたい!じゃなかった、その切り方をして食べてみたい(^o^)
なかなかこだわりがあって、物語消費が出来そうでしょ!
ウン⤴⤴
これは食べてみたい!
コロナが落ち着いたら土岐のお店へ行こう!
コロナと言えば
今日、ワクチン接種して来ました。
午前10時頃、打って午後16時頃になったら
左肩に打ちましたが、案の定、筋肉痛になって来ました。
そう言えば・・
オカダさんは自身の注射打つとき針が刺さる所見れますか?
あたしは絶対!見れない!TVで打っている所も見れない!
ぼくも血液検査の時、直視できずに違う方をついつい向いちゃってます。
だからワクチンを接種する時も、間違いなく直視できず、目をそらしちゃうと思いますよ。
時々買って食べますが、この食べ方は知りませんでしたわ~!
オカダさんのブログも、たまには役に立つ?
そうでしたかぁ!
さすが良くご存知ですねぇ。ってか、まあお近くと言えばお近くですもんね。
それにしても、たま~にお役に立てればそれで何よりですよ!
何もかもがよく考えられてますよね。
それに 向上心の固まりのような方…。
” 独特の食感 ” 写真を見るだけでもよくわかります。気になる〜( ◠‿◠ )
今 竹皮羊羹をエアーで頂きました!
パクリ!
美味しいヤツやん(笑)
竹皮が一味も二味も、美味しさを醸し出してくれますし、なんともレトロな感じがして懐かしさが込み上げて来ちゃいますよねぇ。
たけかわようかんだ~
うなちゃん
大好き~~~
ぼくは
だめ~~~
えっ、まんちゃん苦手なの?
美味しいのにぃ!
もっちりがだめ
ってことで
ういろう、ないろ
もダメ
あーもったいない人生(⌒‐⌒)
ぼくも、ういろやないろの食感は、ちと苦手です。
まあ、10年に一度くらい口にする程度ですかねぇ。