今日の「天職人」は、三重県志摩市阿児町の「貝殻細工師」。(平成22年3月10日毎日新聞掲載)
箪笥の上の飾り棚 埃被った置物は 子供の頃の旅土産 母が記念にこうた物 海水浴の思い出が 色鮮やかに浮かび出す 松ぼっくりと巻き貝の 狸に似せた貝細工
三重県志摩市阿児町、貝殻細工の境工芸社。二代目貝殻細工師の境一久さんを訪ねた。

「貝殻細工の原価はただやでな。旅館の客が一杯飲んで、たらふく食うた後の、アワビの残骸とかの廃棄物を利用するんやで」。一久さんが、入り口に積まれた貝殻を指差した。
一久さんは昭和31(1956)年にこの家の長男として誕生。
その9年後に、父が境工芸社を旗揚げた。
「最初の頃は、観光地の土産物屋に並んどったような、貝殻細工やったんさ。木の切り株を土台にして、色んな貝殻を松ぼっくりなんかと組み合わせて、狸や河童に似せた置物にしたり」。

東京五輪も終わり、世はまさに大阪万博の昭和45年に向け、国内旅行ブームの真っ盛り。
海の家から土産物屋まで、手軽なご当地土産として、貝殻細工の置物は人気を博した。
一久さんは商業高校へと進学し、美術部に所属。
「頭がわりかったで」。
高校を出ると、病気がちであった母を案じ、家業に入った。
「最初はアコヤ貝(真珠貝)から、貝細工に使う部分の型取り作業専門。表面のフジツボを取り除き、真珠層が出るまで削ると、運がええと100枚に1枚の割で、一層目に緑色が出る時があるんやさ。二層目には、岩海苔のような焦げ茶色が現れるんやで。そりゃあ貝殻だけが持つ、神秘的な天然の色やさ」。

それから7年。
「貝殻つこて絵を描けんやろかと、ずっと思とったんやさ」。
昭和56年、貝殻細工の工芸額製作へと乗り出した。
「例えば、浜から海を眺めた構図の絵を描くとしよか。そうすると向こうの水平線の波は、一番細かくうねっとるし、手前側の波は大きくうねるよに見えるやろ。せやで絵の中に遠近感を出そうとすると、細かく貝を型取りせなんのやさ。この絵に張り込む貝殻のパーツ作りが、一番手間なんやに」。

昭和61年、地元からまゆみさんを妻に迎え、一女を授かった。
貝殻細工の額作りは、朝から日が沈むまで、貝の型取りに始まる。
そして夕餉を終えてから、下絵に合わせ、水平線の方から細かい貝を張り合わす。
まるで編み込むように絵の下側、つまり手前へと徐々に太く長い貝を張り込んでゆく。

「岬の灯台やら、向こう岸の山とのバランスを確かめながら、さらに全体の色の具合も見やなかん。特に桜貝の裏に彩色すると、表から見るとええ色が出るんやさ」。
とにかく何万点という、膨大な数に及ぶ貝殻のパーツ。
職人は裸電球の灯かりを頼りに、絵の構図に合わせ貝を選り分ける。
そして貝が放つ自然な発色を透かし見、その色が一番生きる場所へと配置する。

「貝殻で描いた額は、正面と左右の三方向から見るんでは、それぞれに色合いもちごてくるんやさ。海の物だからこその、なとも言えやん色合いでな」。
例え貝の命は尽きようと、殻は2つと同じ色の無い天然色を、永久に放ち続ける。
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たとえ原価はタダでも創意工夫がないと。貝殻細工の額作りは、パーツを見付けてそれを組み合わせて出来る絵(貝)画⤴️なんてね•̀.̫•́✧
これまた絵(貝)画⤴️なんて、最近はもっぱらダジャレ志向ですねぇ。
しかしダジャレもセンスがいりますものねぇ。
その点ぼくなんて・・・。
どんなに努力したって、なごやンさんのダジャレのまえじゃあ、その努力の貝(甲斐)もなしですわぁ。
貝細工と言えば
オカダさん!
ギターに使われていますねぇ!
「ネックのポジションマーク」「ヘッドロゴ」「真ん中の丸い穴の縁取りロゼッタ」
「ボディーの縁取りバインディング」etc
マニアックな事を書いていますが・・ただの知ったかぶりです!
でも一本で良いのでヤイリギター注文で作りたいもんです。
オカダさんライブに備えてたまには
YouTubeでプチライブやって下さい⤴
皆さん待ってますよ、動くオカダさんが見たい!って投稿もあったでしょ⤴
恥ずかしがる歳でもないにぃ⤴(笑)
あたしはダメですよぉ!緊張しぃのシャイですから!
そうですねぇ。
ここんところ唄う気がさっぱりしていませんでしたが、落ち武者殿からそう言われたら、考えねばなりませんねぇ。
YouTubeでのプチライブ、桜が綻び掛ける頃までには実現できるよう、努力して見ますね!
貝殻細工の工芸額…
まるでジグソーパズルのようですね。
やっぱりセンスがないと 風景を見てから 幾つもの工程を経て 作品の完成まで辿り着けないですよ。
私は 細かな作業は好きだけど センスがないからなぁ〜。
写生大会で 下絵は褒めて貰えるのに 絵の具で色を塗ると残念になっちゃうタイプなんです(泣笑)
あぁぁぁぁ。
ぼくも美術の才能はからっきしでして、そうした才能に恵まれた方を羨ましく思っちゃいますもの。