今日の「天職人」は、三重県桑名市の「結納屋」。（平成十七年一月八日毎日新聞掲載）
着物姿でしおらしく いつもの姉も違って見える 媒酌人の口上に 目頭押さえ吉事寿ぐ 鶴の夫婦が睦（むつ）むよに 幸多かれと友白髪（ともしらが） 松竹梅に願い添え 水引結わう二人の門出
三重県桑名市の小林結納店、小林欣哉さんを訪ねた。
「結納飾りの宝船は、反物一反で拵（こしら）えたるんやで、解いて着物にしたもんやさ。昔のんはなあ」。欣哉さんは、立派な結納飾りを指差した。
欣哉さんは昭和五（1930）年、箪笥職人の父の長男として誕生。しかし小学校に上がる直前、日華事変で父が戦死した。
欣哉さんは戦後、面影の薄い父を慕うように、箪笥職人を志した。五年に及ぶ修業で、一端の桐箪笥職人に。
しかし「朝早よから夜遅うまで、働き詰や。これではあかん」と見切りを付け、二十一歳の年に地元の機械工場に勤務した。そこで愛妻秋子さんと巡り会い、社内恋愛の末、昭和三十四（1959）年に結婚。
昔の結納は、家具屋が片手間に手掛けていた。「箪笥職人の親方から『結納は一代で一ぺんはやるもんやで、これからの時代はええぞ』って」。独立の二文字が頭をもたげた。長男が誕生するや、三十一歳で結納店を旗揚。
資金も伝手（つて）も無い。傘と小物の小売をしながら、細々と結納飾りを作り続けた。「石の上で三年辛抱しても、売れませんわ。七年程してやっと」。
昭和四十（1965）年代に入ると、戦後に誕生した団塊の世代が婚期を迎え始めた。「桑名は田舎やったで、みんな人よりええもん持たそと」。桑名周辺の村々を訪ね歩き、長老から各地の結納の仕来りも学んだ。 「ある時、モンペ姿のお婆さんが『これで揃えたって』って、お札を一束持って来てなあ。釣銭の方が遥に多かったけどなあ」。
戦時中、物の無い時代に婚期を迎えた親の世代。せめて息子や娘だけには、不憫な想いをさせるまいと。 一組の結納品に、都合四回の飾り付けと片付けが、無料で繰り返された。
まず納品日に婿方で飾り付けと説明。結納前日には、婿方で一旦片付けて嫁方へ。結納当日、嫁方で飾り付け、式の段取りと司会進行を行い、再び片付ける。後日改めて嫁方で飾り付け。
この細やかな対応は、口伝（くちづて）に広がり、多い年は四百件以上をこなした。
しかし昭和も五十（1975）年代を下ると、結婚の様式にも変化が現れた。「昔は家と家とのつながり、今は本人同士やで」。
一つ一つの結納品に、「幸あれ」と込められた、昔ながらの言い伝え。後何年、語り継がれると言うのか。
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結納飾り等無かったけど娘の晴れの門出、幸せを祈り祝ってくれた両親はこの世にいない。そんな両親を裏切り自分の想いのままに生きる私。何十年か先に逢えた時に何て言おうかな？
まあ、そんなことを気にするよりも、ヒロちゃんはヒロちゃんらしくが一番ですって！
おはようございます｡
・結納屋のお話ですね｡
私は､結納屋さんが有る事知りませんでした｡
ﾌﾞﾛｸﾞを見て勉強になりました｡
・結納品の飾りは､手作りなのですね｡
・写真の飾り綺麗ですね｡
・結納品は､ひとつひとつの結納品に意味が有るのですね｡
「幾久しくお受け致します」
遠いあの日。今思えば、あの日が間違いか（笑）
まあまあ、それもこれも、清濁併せ呑まねば人生なんてやってられませんって！
令和時代、結納儀式事情はどうなんでしょうか？
身近に結婚を控えている人間がいないので、サッパリ分かりません⤵
因みに私はやっていません！
でもねぇ！
婚約指輪は、我ながら大奮発！
「大ヤモンド」
とは良く言ったもんだぁ！
あらら、やるときはやるもんですなぁ！
両家を結びつける大切な儀式だとか…
今 改めて意味を聞くとズシンとくる。
当時は 結婚式場の打ち合わせ等も ほとんど私一人でやっていたので ただただ淡々と流れに沿って動いてた気がします。
第二の生活が始まって初めて両家の重さを実感した。でも すぐにそんな事を忘れるぐらいの事態に発展したんですけどね(苦笑)
人生いろいろ 男もいろいろ 女だって…♪
私の道だってあるのである( ◠‿◠ )
そうそう！
人生何で、地球上で暮らす人々の数だけはあるんですもの！
東海地方も梅雨入りし、家のアジサイも見頃となりました!
このところ蒸し暑くなり、マスクをしているのが不快に感じます
^_^;
くれぐれも熱中症にならないように気をつけたいと思います！
息子の時は、両家の結納飾りを使って「羽子板」を作りました★
松竹梅と鶴と亀の飾りを羽子板用にアレンジして記念に残しました！
今でも床の間にガラスのケースの中に入れて飾っています！
それは素敵なアイデアですねぇ。
羽子板飾りを眺めるたびに、結納の儀の晴れやかな緊張感が思い出されるんですものね。